当時、ほとんど何も分からず、何もないようなところから、試行錯誤と研究を重ねていかれた御苦労はどれほどのものだったか。様々なものが揃い、恵まれている今の私達にはたぶん想像もつかないほど大変な日々だったのだと思います。
あまりの困難さに辞めようと思ったとき、引きとめ、背中を押してくれたのは、その手から作られるガラスの器を求める人の、思いや願い、そして喜びだったのかもしれません。
そうした試行錯誤や研究の中で編み出された、独自の技法(スタイル)や道具たち。それを見たときに、「人が生きるために必要なモノっていうのは、こんな単純な仕事場と道具で作ることができたということを知っておいてほしい」という、昔ながらの鍛冶屋さんの言葉を思い出し、それがぴったりと重なったように感じました。(鍛冶屋さんの聞き語りをまとめた「鍛冶屋の教え―横山祐弘職人ばなし (小学館文庫)
「何でも一番最初にやってみるのは気持ちがいい。」
スライドレクチャーの時に、小谷先生がおっしゃっていたこと。
困難や苦労を、楽しみに変え、喜びを生み出していく。
それが、「ものづくり」の持つ真の力のように、生粋の職人の姿を見て、感じたような気がします。
学生達にも気さくに話をして下さり、失礼ではありますが、80歳も近いとは思えないほどお元気でお若く、そしてお茶目(!)な方でした。
人の暮らしや心を豊かにするものづくりとは何か、本当の豊かさとは何か、改めて問いかけられ、そして教えて頂いているような、とても貴重な素晴らしい出会いでした。



小谷先生が、スライドレクチャーの際に壁に貼られた紙。
そこには、
「工芸の原点
自然を愛し
人を愛し
仕事を愛す
その仕事に
責任を持つ
ものをつくるよろこび」
と、手書きのマジックで太く力強く書かれていました。
繰り返し説かれていた、先人に学ぶことの大切さと、良いことを残し、伝えていくことの重要性とともに、この言葉を、自分の中にもしっかりと刻んでおきたいと思います。
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