2005年07月05日

フランク・ロイド・ライトのデザイン@明日館

さて、またフランク・ロイド・ライト設計の明日館(本館)のご紹介を。というより、今回は、ライトのトホホ?な話かも・・・。

前回、「ライトのデザインによる照明 (明日館の食堂)」(05/7/1)で、「ライトは、デザインについては非常に重要視していたが、肝心の構造面(機能面?)はそれほどでもなかったらしい」と書きましたが・・・。


ライト設計による明日館本館中央棟は、大正11年(1922年)竣工。今回卒展の会場となる講堂は、ライトの弟子の遠藤新設計で、昭和2年(1927年)竣工。わずか5年しか違わないのに・・・、本館の方は、傷みが激しく、壁が剥がれ落ちていたり、床や柱が腐りかけていたりと、一時は「幽霊屋敷のよう」な有様となってしまっていたそうです。

平成9年(1997年)に、国の重要文化財の指定を受け、保存・修理が行なわれる事となったのですが、全面改修が必要だったのは、ライト設計の本館の方のみ。それは何故か。

今回伺った中で、最も大きな要因として説明して頂けたのが、こちら。

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屋根ですね。この屋根のてっぺんに、ずらずら〜っと、変な穴が開いているのが分かりますでしょうか?

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これ、実は・・・。
ライトの考えた「換気口」なんだそうです。つまり、この穴が、天井から室内へ、あるいは軒先へと繋がっているのです。
でも・・・、う〜ん、何だか素人考えでも、ここから雨が吹き込むんじゃない?って、思いませんか?実際に、そのものずばりで、ここから染み込んだ雨水によって、建物内部の腐食が進んでいってしまったそうです・・・。(今ではこの穴は塞がれているそうです。)

それから、これはライトのせいではないのでしょうが・・・。この建物は、日本での2×4工法の先駆けとも言える構造となっているそうですが、当時の日本の大工達は、もちろん、2×4工法など知る由もなく。結構無茶な建て方をされてしまったようです。
そしてもうひとつは、とにかく予算がなかった・・・らしいです。なので、建材も安価なものが多用され、扉などはベニヤを張り合わせたものだったり・・・。同行した美術史の講師の方は、「ほんとに予算がなかったんだな〜。でも、お金ないけど頑張りましたって感じがする」、と・・・。


また、ライトは、日本では大谷石を好んで用い、明日館でも至るところに使われていますが・・・。

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例えば、こうした建物外周であったり。










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暖炉だとか。










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柱だとか。

大谷石は、加工がしやすいらしいですね。門外漢なので、あんまり変なことは言えませんが、加工しやすいということは、比較的柔らかい、ということで・・・風化もしやすいらしいです。特に建物外周に使われた大谷石は、長年の風雨などにより、穴ぼこだらけになっていたりして・・・。「ヒールを履いてこられた方はご注意ください」とおっしゃられていました。


ちなみに、この建物。女学校の校舎として使われていました。そこで、問題となったのが、以前にもご紹介した、この窓。

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デザイン重視で作られた感じがとてもするこの窓、ひとつひとつが、とにかく背が高い。で、この細長い1枚1枚が開閉するようになっているのですが・・・。
大人でも、開閉に結構苦労するそうなのに、当時は女学校。つまり、この大きな窓を女の子が開け閉めしていたわけです。で、さすがに無理、という話になって、この長細い窓を2分割し、下の窓だけ開閉できるように改装しなければならなかったそうです。
(平成11年〜13年の保存・修理工事の際に、今見られるような、ライト設計当時の姿に戻したとのことでした。2分割した時の桟の跡は残っています。)



まぁ、ライトにもライトの諸事情があったのでしょうけれどね。帝国ホテルの設計の方で忙しかったのでしょうし、日本の気候は、ライトの想定を超えていたのかもしれません。
また一方では、帝国ホテルの設計時には、当時の日本では非常識ともとれる構造を考え、かなり批判も受けたそうですが、その直後に関東大震災が起こった際には、周囲の建物が倒壊した中で、帝国ホテルだけはびくともせず、ライトの構造設計の正しさが証明された、との逸話もあるそうです。
なので、冒頭のコメント。必ずしもその通りとは言えないかもしれませんが・・・。でも、ライトはデザインを非常に重要視していたのは、確かなのでしょうね。




明日館での卒業制作展まで、あと213日!

でも、何だかんだ言って、私、この建物、結構好きですよ。(あんまりフォローになってないかもしれませんが。)本館ではないものの、ライトと繋がりのある建物&空間で卒展が出来る事は、とても意義のあることだと思います。

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posted by Metal_NEKO at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | Craft・Design | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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