そういえば、9月の始めに、学校で学園祭がありました。
準備期間中にはほとんど行けずじまいで手伝えなかった私でしたが、前日と初日だけでも何とか、と、参加してきました。
毎年恒例で、工房体験をやっているんですが、今回なぜか、子供達にず〜っとからまれっぱなしに・・・。
そのうち、「
卒業したのに何で学校にいるの」とか言われてしまいまして。う〜ん(笑)。「何でだろうねぇ」、などと、意味もなくはぐらかしつつ。
まぁ、そんな訳で、今年の春から週に1日、学校に行ってます。あ、助手で、です(笑)。
入学式の挨拶の時に、「一緒になって考え、共に学んでいければ」というようなことを言ったんですが、学校に行って、学生と接していると、ますますそんな風に、強く思えてきます。
金属工房は、私が学生だった頃とは、すっかり様変わりしていまして。
ところ変われば、勝手も違ってくるので、戸惑うことも多かったのですが、郷に入っては郷に従え。まずは自分が0に戻して・・・、といった感じで、前期はあっという間でした。
↑こちらは、前期中に、サンプルとして制作した、掃除用具掛け。
タガネで切る、とか、裂き通しとか、いわゆる西洋のロートアイアンの基本技法のようなものって、私は今までやったこと、正直なかったんですよね。
金属工房のもう一人の助手の方は、ロートアイアンの一流どころの工房に勤めていたので、いろいろと教わりながら・・・。技だとかって、ほんと、百聞は一見にしかず、ですね。なるほどぉ、とか、そうだったんだ!とか・・・。凄いなぁ、って、感心することばかりでした。
今まで知らなかったこと、出来なかったことが、少しずつでも出来るようになっていくのって、楽しいものですね。
まったく違うようなことでも、いろんなものを、吸収しつつ、咀嚼しつつ、そこからまた何か、自分を新しくしていけるといいな、と思ったりします。それもきっと、楽しいこと。
後期に入ってからの2年生の課題は、「折りたたみ家具」。こういった、大きな動きのあるものも、今まで考えてみたことも、作ったこともそういえばなかったですね。(せいぜい、蓋が開く、とかくらい)
で、私も一緒になって可動部の構造だとか、どう動くかとか、動いた後で固定する方法だとか、考えてみているんですが、これが・・・何だか凄く、面白そうです。ついつい、自分の方が夢中になってしまいそうな(苦笑)。
自分で考えてみる。考えて、試して、また考えてみる。そういう時って、面白いなぁ、って感じませんか?
で、助手の仕事というと、工房での実習関連だけではなくて、他から頼まれて、道具や備品的なものを作ることもあります。
今日、合間を見ながら、ささっと作っていたのは、「え?そんなものまで作っちゃうんですか?」と、学生に言われてしまうようなもの。
でも、やっぱり、必要だから作る、っていうのが、原点なんだろうなぁ、って、改めて思います。
誰から必要としているものを、その人のために、その用途のために作ることが出来たら・・・作り手としての自分にとっても、それはとても、嬉しいことだと感じます。
楽しいこと、面白いこと、嬉しいこと。
バランスよく、揃ったら。
そんなものづくり、目指してみたいものです。
(※ちなみに、一番手前のフックは、学生に「作ってみたら?」と言って出来てきたもの。どこからこんな形が生まれてくるのか・・・そんなことも面白く、刺激にもなります。)